こんにちは!ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
今回は動物関係から少し離れますが、ドッグラン(3か所)も併設されているベルリンのテンペルホフ空港跡地についてご紹介させてください!
テンペルホフ空港跡地とは?
こちらの空港跡地は、ベルリン中心部(Ringbahn:都市をぐるっと囲む環状線のような路線の内側)の、ノイケルン東地区・テンペルホフ地区に位置しており、その面積はおよそ355ヘクタール(約3.55平方km)にも及び、世界中の都市部内にある空き地の中で最も広い場所だったそうです(2012年)。
ランニングやサイクリングをしている人もいれば、スポーツを楽しんだりバーベキューをしたり、読書をしたり眠ったり・・・。
本当に人それぞれ、のんびりまったりしているのが印象的でした。
昔は何の場所だったの?
ドイツ語でさくっと調べただけでも、複数の時代において軍事利用されていたことが分かりました。
あと注目すべきは、かつてはバリバリ空港として利用されていたということ。
この広大な敷地の中には空港跡地の一部が残されており、滑走路などもほぼそのままの状態で歩けます。
私も近所に住んでいたときは滑走路でよくジョギングしていました。
本当に広くて果てしないので、ジョギングしていてとても心地良かったのを覚えています。
「何もない」土地を勝ち取った市民運動
でもなぜこのようなただっ広い土地が首都の中心部にあるのだろうと思いませんか?
実はこの「何もない場所」は市民の意向で実現した空間なのです。
かつての空港にとって代わる国際空港がベルリンで作られたため、このテンペルホフ空港は2008年で閉まることとなりました。
その後この土地は商用利用等で有効活用される計画が立ったそうですが、市民らの激しい抵抗により、最終的には市民の憩いの場としてそのまま残すことが決まったそうです。
空港跡地の新たな利用に対しては、一時期激しいデモが起こり、100名以上が捕まったのだとか・・・。
凄まじい攻防だったのですね・・・。
日本であればどうなっていたのだろう?
この騒動って、本当にすごいことだと私は思うのです。
日本であればきっと有無を言わさず何かに利用されますよね。
これはあくまで感覚的な話なのですが、日本はとっても経済重視の社会だと思っています。
何をするにも「それで経済効果があるのか」「儲かるのか」「メリットがあるのか」が先に来る。
きっとこのテンペルホフ空港跡地問題が日本で起こったとしたら、9割以上の確率で商業利用されていたことでしょう(だって、都市の中心部に位置するのですから)。
都市部の土地が少ないのはベルリンも一緒
とは言うものの、昨今の難民受け入れ問題や住居高騰により、ベルリンの事情も様変わりしました。
なんといっても住む場所が需要に追い付かず、住宅が必要なのです。
議論が尽くされた結果、2016年~2019年限定ということで、テンペルホフ空港跡地内に難民キャンプが設置されていたそうです。
(ちょうどその頃テンペルホフ空港跡地によく行ってましたが、広すぎるからか全く気付かず・・・)
今は市民の憩いの場ではありますが、テンペルホフ空港跡地の利用に関してはこれからも議論が続く見込みです。
もしかしたら将来的には全く別の建物が建ったりするかもしれません。
人が集中する場所では土地が不足するのは万国共通な模様です。
「何もない」時間や空間の大切さ
突然ですが、くまのプーさんは作中でこんなことを言っています。
「なんにもしない」をする
とっても大好きな言葉です。
やろうとしてもなかなかできないんで、是非やってみてください(笑)
「何もない」時間を持ったり、「何もない」空間にいることによって、私たちは普段いかに多くのことを同時進行で考えて先読みをして行動しているかが分かります。
「あれやらなきゃ、これやらなきゃ・・・」
「次はこうしてああして・・・」
時間に追われていると、いつの間にか「やりたいこと」や「本来の目的」を見失ったりしちゃいます。
現に私がベルリンにいたとき、ビザのことやら今後のことやら、もやもやして先が見えなくて不安な毎日を、テンペルホフ空港跡地をジョギングするとすーっと忘れてサッパリしました。
ちょっと話が飛躍してしまったかもしれませんが、それほど「何にもない」時間や空間は大事なものだと思います。
だから、テンペルホフ空港跡地が将来何か意味や目的のある場所に変わってしまうと、少し残念な気持ちになります。
次はいつベルリン訪問できるか分かりませんが、もしも行ける日が来たら、こちらにも是非行って参ります!
本日はここまで。
ご訪問頂きありがとうございました!